性行為などによって感染する病気のことを性感染症と言い、性病とも呼ばれています。
コンドームの使用や不特定多数との性行為をしないことによって予防することができ、完治させるためには早期治療がとても大切になります。
性病の中には自覚症状がないものもあり、感染に気づきにくいいこともあり、早期治療のためには定期的な検査が必要です。
再発やパートナーへ移すリスクをなくすためにも病院で正しい治療を行うことが大切になります。

クラミジアの治療法

ベッドの上のカップル

クラミジアは日本で感染している人が多い性病であり、感染者数は100万人ともいわれています。
コンドームを使用せず行う性交渉、オーラルセックス、キスなどの粘膜同士のふれあいや母子感染によってクラミジア・トラコマチスと呼ばれる細菌に感染することによりクラミジアを発症します。

感染部位は男性の尿道、女性の膣内、咽頭、直腸です。
症状が現れないことも多く、感染に気付かず放置してしまうことが多い病気でもあります。
感染の疑いがある性交渉から2、3日で検査が可能です。パートナーと同時に感染していることが多いため、完治させるためにパートナーと一緒に治療を行う必要があります。

病院でのクラミジア治療は抗生物質による薬物治療が一般的です。
治療に使われる抗生物質は、大きく分けるとニューキノロン系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ケトライド系に分類することができます。
処方される薬の多くがジスロマックと呼ばれる薬で、胎児に影響しないとされ、妊婦でも使用することが可能です。
ジスロマックは腸から血液に入り、1~2週間体内を循環することでクラミジア感染部位に移動し作用します。

ジスロマックを1度服用し、3週間後に再びクラミジアの検査を陰性であった場合は完治となり、クラミジアの菌が残っていた場合はクラリスなどマクロライド系抗菌薬など、別の薬に切り替える治療を続けることになります。
薬で完治させることができる病気ですが、クラミジアを完治させるためには数週間ほどの期間が必要です。
治療中は、クラミジアを再びパートナーへ移してしまう可能性や、クラミジアをパートナーから移されてしまう可能性があるため性行為を避ける必要があります。

トリコモナスの治療法

トリコモナスは男性よりも女性の感染者が多いことで知られる性病です。
トリコモナスと呼ばれる原生生物が腟や尿道へ入り込むことで炎症を起こしてしまいます。

トイレの便座

男性の場合は排尿でトリコモナスが排出されるため感染者は女性が多くなりますが、男性を媒介し感染することが多いです。
トリコモナスは感染力が強く、性交渉だけではなくタオルや便座などから感染する場合や母子感染の可能性もあります。
女性は自覚症状がない場合もありますが、外陰部のかゆみや悪臭のするおりものや血が混じったおりものなど様々な症状がでます。
男性の場合は自覚症状がでにくいことが特徴です。

トリコモナスの治療は、主にメトロニダゾールという成分の入った抗原虫薬が使われます。
女性の場合は飲み薬と膣錠があり、男性の場合は飲み薬のみしかありません。トリコモナスに薬剤に耐性がある場合があり、その場合は他の薬を使っての治療になります。
胎児への影響がある場合があるため、妊娠中の服用は原則避けなくてはいけません。妊娠中の場合は膣錠での治療になります。

男女ともに、薬の服用後は飲酒によって嘔吐やアレルギー反応が出ることがあるため、薬の服用後数日間はアルコールを避けることが必要です。
治療期間は1週間ほどですが、女性も場合は月経中にトリコモナスが増殖するため、女性は月経後にも再検査する必要になります。
トリコモナスが残っており再発してしまうケースや、パートナーが治療しておらずに再び感染してしまう可能性があるため、治療の際は、再感染を防ぐためにもパートナーと同時の治療が必要です。
トリコモナスは不特定多数との性行為をしないことや、正しくコンドームを使用することで予防することができます。

淋病の治療法

淋菌によって起こる感染症を淋病と呼びます。
男性だと淋菌性尿道炎、女性だと淋菌性膣炎、淋菌性頸管炎を起こす、性行為などによって移る性病です。

オーラルセックスをすることによっては口内に淋菌が感染することや、手やタオルを介して淋菌が目に感染することもあります。
男性は症状が現れやすく淋病だとわかりやすいのですが、女性は無症状であることが多く自覚症状なく進行してしまうことが多いです。
感染が疑われる性行為から2、3日で検査が可能になります。

治療は抗生物質を使用する薬物治療が主になりますが、近年ではペニシリン系、ニューキロノン系、テトラサイクリン系などの薬に耐性のある淋病が増えたこともあり、ふたたび淋病患者が増加しています。

淋病の治療で一番有効な方法は病院で行う点滴や静脈注射、筋肉注射で、最も多く使われている薬はセフトリアキソンとスペクチノマイシンです。
点滴や注射による器量は基本的に1回の治療で淋病は完治しますが、効果が薄い場合は薬の容量を増やすなどして再び投与します。
飲み薬で理療する場合もあり、1週間程度連続して1日に2~3回の薬を服用する治療が多くなりますが、完治することなく服用を中断した場合や薬を飲み忘れた場合は、淋菌が薬に耐性を持ってしまう可能性があります。
そのため、第一選択薬として点滴や注射の選択が多く使われるのです。

治療の際は必ず完治まで通院を続けることが大切になります。
淋病もパートナーと一緒に治療し完治させることが大切になり、治療中の性行為や飲酒はしてはいけません。
予防はコンドームを使用することで効果がでますが、オーラルセックスやペッティングでも移る可能性があるため注意が必要です。

梅毒の治療法

梅毒は、梅毒トレポネーマを病原体とする性病のひとつです。
近年では昭和48年以来44年ぶりに梅毒患者が5000人を超えたと発表し注意を呼びかけています。
性行為やキスによって移ることが多く、母子感染や針の使い回しなどの医療行為でも移ることがある病気です。

注射針

近年では20代の若い男女の性交渉による感染が急激に増えており、母子感染である先天性梅毒も増えています。梅毒は第1期から第4期と時間をかけて進行していきます。
昔は不治の病として恐れられていましたが、現在では早期治療によっての完治が可能です。

治療方法としてはペニシリンGという抗菌薬の筋肉注射が一般的なのですが、日本国内ではペニシリンGの筋肉注射は使用できないため、代用となる経口合成ペニシリン剤によっての治療になります。
投与期間は長期間が推奨されており、第1期で2~4週間、第2期で4~8週間です。
ペニシリンアレルギーによって経口合成ペニシリン剤の服用が難しい場合は酢酸ミノサイクリンやドキシサイクリンを使用します。

神経梅毒の場合は、ベンジルペニシリンカリウム、またはセフトリアキソンを点滴での投与になります。
梅毒になって1年以内の治療の場合は、38度台の高熱が出る場合があり、病院で観察することが必要です。
この反応は菌が一気に死滅することによるヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応です。

梅毒は感染し完治して抗体ができたとしても、再び感染し進行していく病気です。
不特定多数との性行為を避けることや、コンドームの使用によって予防できますが、キスやオーラルセックスでの感染は気を助ける必要があります。
早期治療が必要になる性病なので、気になる症状や気になる行為があった場合は早めの受診が大切です。